直近、外注していた採用オペレーション担当を、完全にフェアパスに代替する事例が生まれてきました。AI面接やスカウトが先に台頭してきましたが、イレギュラー対応の多いオペレーション領域も、一担当者としてAIが担える時代が来ています。今回は、なぜ採用オペレーションが人の役割とされてきたのか、そしてそれがどう代替され始めているのかを、実際の導入企業の例をもとに書きます。
こんにちは。bgrass株式会社でBizDevを担当しているまいかです。
月の応募数が300〜400件、社内の採用担当が2名ほどの組織では、採用オペレーションをどのように回されているでしょうか。 外部のRPOやオンラインアシスタントに委託している企業もあれば、社内にオペレーション専任のスタッフを置いている企業もあると思います。
どんな形にせよ、これまでは人が担う役割として扱われてきました。相手は応募者であり、社内の面接官であり、人材紹介会社の担当者です。日程をひとつ決めるだけでも、お互いの状況を見ながら進めることになります。 ただ海外では、同じように人が担うものとされてきた対人のオペレーションを、AIエージェントが代替する動きが出てきています。そしてフェアパスの導入現場でも、これまで人にお願いしていた採用オペレーションの役割が、そのままAIに代替される事例が生まれ始めました。
今回は、採用オペレーションがなぜ人の役割だったのか、そしてそれをAIがどう代替できるのかについて書きます。
人がやってきたのは、人と人とのやり取りだから
これまで採用オペレーションは、社内での対応件数が増えてくると「専任担当を置く」か「外部に委託する」という形で、**ツールではなく人の手で補ってきました。 ** それは、採用オペレーションが、単なるマニュアル対応ではないからです。人の機微、候補者ごとのイレギュラー、通常のルールを少し外れた対応が常に求められます。 1人の面接官で見る予定だったところに、「やっぱり2人で見たい」と現場から要望が入る。2人分のカレンダーを重ねて調整し直すことになります。 面接官のカレンダーが2週間先まで埋まっていて、候補日が出せない。既存の1on1や社内ミーティングを動かして、枠を差し込む。 候補者が在職中で夜しか対応できないため、19時から21時の枠で調整できる面接官をアサインする。
こうした人と人とのコミュニケーションであり、定型対応だけでは進まない役割だったため、従来のツールでは代替しきれず、人に依頼する形が続いてきました。
同じ領域で、AIが人の役割を代替する事例も出てきている
ただ、こうした人と人とのやり取りが入る領域でも、AIが人の役割を代替する事例が出てきています。 スウェーデン発の決済サービス企業Klarnaの事例がその一つです。
同社には世界中のユーザーから支払いや返金、注文に関する問い合わせが日々大量に届き、カスタマーサポートの社員や外部委託のワーカーがその役割を担っていました。 2024年、同社はOpenAIと共同で構築したAIエージェントが、700人分のカスタマーサポートの役割を担当したと発表しました。 初月で230万件の会話を処理し、23の市場・35以上の言語で対応。全チャットの約3分の2をAIが完結させ、解決までの時間は11分から2分に短縮されています。これにより、外部への委託も削減したと報じられています。
(出典:Klarna公式プレスリリース、2024年2月27日)
[** Klarna AI assistant handles two-thirds of customer service chats in its first month | Klarna International ** *
www.klarna.com *](https://www.klarna.com/international/press/klarna-ai-assistant-handles-two-thirds-of-customer-service-chats-in-its-first-month/)
ただしKlarnaは、すべてをAIに任せたわけではありません。複雑なトラブルや配慮が必要な案件では人の対応が必要だと判断し、どこまでをAIが担い、どこからを人が持つかという境界線を引く体制へと再構築しました。
採用オペレーションも、構造としては同じです。 相手が候補者・面接官・紹介会社という違いはあっても、大量のやり取りが日々発生し、その中にイレギュラーが混ざる。そして定型的な対応と、判断が必要な対応が同居しています。
では採用オペレーションで、AIがどこまでの役割を担えるのか。これを見るには、まず日頃オペレーション担当に何を頼んでいるのかを分解する必要があります。
オペレーション担当に、どう指示を出していたか
月300〜400応募を、採用チーム2名で回している導入企業の例です。 この企業では、オペレーション担当に対して、こういう指示を出していました。
**書類選考の依頼 ** 応募が入ると、内容を確認して「この方の書類選考をお願いします」と上げてもらう。それを受けて、現場が書類を確認する。
**初期スクリーニング ** 社内で決めたルールに合わない応募者を、事前に弾いてもらう。
**日程調整 ** 「この方、書類通過なので日程調整お願いします」と依頼する。面接官のカレンダーから候補日を出して、候補者と確定させて、登録してもらう。
**見送りの連絡 ** 「この方、見送りでお願いします」と伝える。応募経路に応じて出し方が違うので、媒体経由なら一定の日数を空けて、紹介会社経由なら即日で理由を添えて送ってもらう。
**媒体経由の応募者への対応とステータス更新 ** メッセージの送信と、選考が終わった方のステータス更新。媒体上でアクティブなまま残ってしまうためです。
**面接評価のリマインド ** 面接が終わっても評価が入力されないとき、面接官への催促を依頼する。毎日のようにかけてもらうこともあります。
**過去に見送った候補者の掘り起こし ** タレントプールに入れるほどではないが、一定期間の後にもう一度アプローチしたい方。そういう方を拾ってもらう。
一つひとつの対応はシンプルです。 ただ、ここに先ほどのようなイレギュラーが重なるため、これまでは人に頼らざるを得ませんでした。 そして大切なのは、外注をすべてやめることではありません。この7つの役割のうち、どこまでをAIに渡して、どこを人が確認・判断するか。その線を自社ならどこに引くか、という視点です。
頼んでいた役割全般が、AIで代替され始めている
この企業では、これまで人に頼んでいた役割全般が、フェアパスによって代替される形になりました。 継続の判断基準は、お願いしていた役割の9割から10割を代替できるかという水準でしたが、日々のやり取りだけでなく、イレギュラーまでカバーしています。
日々のオペレーション 応募が入った時点で、書類選考の依頼が上がる。 日程調整は、カレンダーの空き枠の抽出から確定と登録まで。 見送り連絡は、媒体経由か紹介会社経由かを識別して、適切なタイミングと文面で作成。媒体上のステータスも更新される。 評価入力が滞れば、検知してリマインドがかかります。

イレギュラー対応 「やっぱり面接官2人で見たい」とチャットで伝えれば、両名のカレンダーを重ねて調整し直します。 面接官のカレンダーが2週間先まで埋まっている場合は、1on1やランチなら動かしていいという事前のルールに基づいて、差し込みの候補枠を提案。面接官への依頼文まで用意されます。 19時以降や21時までの夜枠、フルリモート前提の条件にも対応します。

指示の出し方も、人に頼むときと変わりません。 「この方、書類通過で日程調整お願いします」とチャットで伝えれば、そこから先が進みます。そして最終的に送信するかどうかは人が判断するという確認のステップを挟む形になっています。
3つの選択肢を並べると、こうなります。

どれを選んでも、業務そのものは回ります。違うのは、社内への催促を頼めるかどうかと、動き出すタイミングです。
そして、人には難しかった部分もある
AIには稼働時間の制約がありません。夜に届いた応募も、その時点で処理が始まります。**依頼を待つ時間そのものがなくなります。 ** そのうえで、費用は稼働時間で決まる構造から外れます。 この企業では、月額で最大80万円。そこから契約時間を見直して減らしてはいましたが、依頼する件数が増えれば戻る構造でした。 同じ範囲をフェアパスが担うと、月13〜14万円程度になります。 約3分の1程度に収まるのであれば、そこだけで見てもアドバンテージがある。担当者の方からは、そういう評価をいただいています。
全部を一度に変える必要はありません
既存のオペレーションを一気にすべてAIに変えるのは、ハードルが高いと感じる企業も多いと思います。 今回の企業も、最初から全求人を切り替えたわけではありません。既存のATSはそのまま残して、まずは1つの求人から始めています。 指示の出し方が変わらないので、**採用担当者が新しい操作を覚える必要もありませんでした。 ** そして初期の設定や運用ルールの落とし込みは、FDEが伴走して実装します。どのカレンダー予定なら動かしていいか、経路ごとの連絡ルールをどう設定するか。**社内での設定工数は発生しません。 ** これまで人と人とのやり取りだからと、人にしか頼めなかった採用オペレーション。**そこをAIが代替することで、採用チームが本来向き合うべき見極めや口説きに集中できる形が始まっています。 ** 各担当がどう動くかと、料金の考え方は、フェアパスのページにまとめています。デモのご予約と資料のダウンロードも、こちらから受け付けています。
執筆者|まいか bgrass株式会社|BizDev 採用AIエージェント「フェアパス」の導入現場で、採用オペレーションの設計・改善支援に従事。フリーランスとしても複数企業の採用支援・採用戦略立案を担当し、採用実務とAI活用の両面から現場に伴走している。

