採用の判断の質を上げるには、感覚だけでなくデータで振り返ることが欠かせません。選考の場でも、データをもとに公平に判断したいところです。
どんな候補者が通過しているのか。求人要件と実際の選考にずれはないか。面接官によって評価が分かれていないか。
これが分かれば、要件を見直して、求める人に出会える確率を上げられます。面接官ごとの評価のぶれに気づければ、誰が面接しても同じ基準で候補者を見極められるようになります。
ただ実際には、日々のオペレーションに追われて分析の時間が取れません。どのデータで振り返ればいいのかも分かりにくいものです。評価の残し方がそろっていない。候補者の情報と結びついていない。そうなると、分析の前の準備から手をつけることになります。その間に、判断のぶれや要件のずれに気づかないまま採用が進んでいきます。
この記事では、分析に時間を割けない現場で、フェアパスとフェアパスチームがデータの土台をどう整えているかを紹介します。
こんにちは。bgrass株式会社でBizDevを担当しているまいかです。
書類を見て、面接をして、通過か見送りかを決める。採用ではこの判断が毎日積み重なり、どんな人と出会えるかを左右します。その判断は、どうしても経験や感覚に寄りがちです。
現場で培われてきた見立てには大きな価値があります。ただ、感覚だけでは、本当に出会いたい人に出会えているかを客観的に確かめられません。
データで振り返れば、いま会えている人が会いたい人なのかを判断できます。要件がずれていれば要件を、評価がぶれていれば面接の基準を見直す。この繰り返しで、求める人に出会える確率を上げていけます。
忙しい中でも、今のやり方が正しいかをデータで確かめる。そのために私たちがしている工夫を書きます。
データで振り返りたかった、導入企業の現場
ある導入企業では、以前から、感覚だけでなくデータで採用を振り返りたいと考えていました。どんな候補者が選考を通過しているのか。面接官ごとに評価の基準に差はないのか。事実を見て、出会いたい人に出会えているかを確かめたかったからです。
現場では、次のように選考を進めていました。
面接の評価は、次の判断のためにATSへ残す
面接が終わると、面接官の評価をATSに残していました。採用担当者がそれを見て、次の選考に進めるかをすぐ決めるためです。
目の前の候補者を判断する記録としては、これで十分に役割を果たしていました。一方で、複数の候補者を並べて比べる前提の形ではありません。分析に使うには、評価の書き方をそろえ、候補者のデータと評価の履歴を結びつける準備が要りました。
候補者を待たせないよう、日々の対応を最優先する
採用担当者は、応募への対応、面接の日程調整、候補者やエージェントへの連絡を何より優先していました。関心が高いうちに次の連絡を届けないと、採りたい人を逃すからです。
目の前の候補者に時間を使ってきたぶん、分析の準備は次の段階として残っていました。


どちらも、候補者を確実に前へ進めるための現場の工夫です。その積み重ねを振り返り、採用をさらに良くしていくことが、この企業の次の挑戦でした。
フェアパスの導入をきっかけに、現場から声が上がりました。日々のオペレーションが軽くなるなら、空いた時間でデータ分析にも取り組みたい。オペレーションを楽にするだけで終わらず、その先で採用そのものを良くしたい。これが、データで採用を振り返る取り組みの出発点です。
なぜ、データで確かめるのか
現場の感覚で「うまくいっている」と思っていても、本当かどうかは事実を見ないと分かりません。感覚だけで判断すると、うまくいっているやり方を変えてしまうことがあります。逆に、ずれたやり方を続けてしまうこともあります。
たとえば、求人要件の条件が、現場で活躍している人の姿とずれているとします。この場合、どれだけ丁寧に面接を重ねても、会いたい人にはたどり着きにくくなります。
面接官ごとに評価の基準がばらばらなら、同じような候補者でも、誰が面接したかで合否が変わります。
こうした選考の小さなずれは、日々の選考業務の中にいると気づきにくいものです。
データで確かめれば、こうしたずれに気づけます。変えるべきところと、続けるべきところを見分けられます。根拠をもって採用のやり方を見直せること。私たちがデータで確かめることにこだわる理由はここにあります。
ただし、そのためには分析に使える状態のデータが手元にそろっている必要があります。整理や準備に手が届かないままでは、確かめたいと思っていても最初の一歩を踏み出せません。
データの土台から、現場と一緒に整える
ここからは、この導入企業での取り組みをもとに、フェアパスとフェアパスチームが何をしているかを紹介します。
今ある選考の記録から、使えるデータを拾い上げる
この企業には、分析にそのまま使える形のデータがたまっていませんでした。そこで私たちはまず、ATSに残っていたある月の候補者データをフェアパスに取り込みました。新しいデータがたまるのを待たず、すでにある選考の記録から使えるものを拾い上げるところから始めています。
拾い上げたデータを、分析できる形に整える
取り込んだデータは、候補者一人ひとりの選考状況や評価の内容を確認しながら整理します。記録が残っているだけでは、候補者の最新の状況が反映されていないことがあるからです。そのまま分析すると、実態とずれた結果になります。
現場が準備に手をかけずに、確かめたいことを正しく確かめられる状態をつくる。これがこの段階の目的です。
企業ごとの採用モデルをつくる
データの整理と並行して、いまは企業ごとの採用モデルをつくっています。採用モデルとは、その企業がどんな人を求め、どの観点と基準で候補者を見極めるのかを整理したものです。
比べる基準があって、はじめてデータを見たときの判断がつきます。いま会えている候補者が、出会いたい人の姿に合っているかどうかです。
求人要件と通過者、面接官ごとの評価を見る
整えたデータと採用モデルをもとに、次の2点を見ていくことを目指しています。
- 求人要件と、実際に選考を通過している候補者のずれ
- 面接官ごとの評価の基準のぶれ
会いたい人に会えているか。選考の流れや評価の基準を変える必要があるか。これを感覚ではなく根拠をもって判断できるようにするためです。いまは、そのための準備を進めています。


オペレーションの先にある、採用の質まで
私たちの支援のゴールは、目の前の採用業務を軽くすることだけではありません。候補者と出会い、見極め、内定・入社に至るまでの採用全体を見ます。出会いたい人に出会えているか、今のやり方を続けるか変えるかまで、現場と一緒に考えます。
データにもとづく採用の振り返りも、その一つです。日々のオペレーションを支えることと、採用の質を高めることを切り離さず、ひと続きのものとして支援しています。
役割の分け方は次のとおりです。データを集めて整える土台は、仕組みで支えます。どんな問いで振り返るか、分析の結果を求人要件や面接の基準にどう生かすかは、フェアパスチームが現場と一緒に考えます。
求人要件をどう見直すか、面接の評価基準を社内でどうそろえるか。最終的に決めるのは企業と面接官です。その判断の根拠となるデータを整え、いつでも確かめられる状態にしておく。それがフェアパスとフェアパスチームの役割です。
まとめ
本当に出会いたい人に出会えているかを、感覚だけでなくデータで確かめる。そのために、まず今ある選考の記録から使えるデータを拾い上げ、土台から整えていきます。日々の対応で分析に時間を割けない現場でも、今のやり方を根拠をもって見直せるようにする。採用全体を見渡し、オペレーションの先にある採用の質まで支え続けるのが、フェアパスの採用支援です。
「データで採用を振り返りたいけれど、何から手をつければいいか分からない」「日々の候補者対応で手いっぱいで、分析の準備まで回らない」。こうした悩みに、フェアパスとフェアパスチームがどう取り組んでいるのか。具体的な支援内容や導入企業の事例、詳しい金額は資料にまとめています。自社の採用体制と見比べてご活用ください。
