AIエージェントは、導入しただけでは価値が出ません。日々の業務の中で当たり前に使われるようになってはじめて、効果が生まれます。せっかく導入するなら、現場に根づき、AIと人がそれぞれの役割を担う形をつくりたいですよね。
運用に載れば、人は人にしかできない仕事に時間を使い続けられます。実際に使った結果をもとに効果を確かめられるので、AIエージェントへの投資も、手応えをもって判断できます。反対に、定着しないまま終われば、効果が出なかったのか、そもそも使われなかったのかも区別できず、AIエージェントの本当の効果を確かめることができません。
ただ、AIエージェントが支えるのは、日々の小さな業務です。慣れているぶん負担が見えにくく、「自分でやったほうが早い」と感じられるのも自然なことです。けれども、困っていないことと、負担がないことは同じではありません。さらに導入の直後は、これまでの業務フローと並行して運用する期間が生まれ、一時的に手間が増えることもあります。人は忙しいときほど慣れた方法に戻るため、新しい運用は後回しになり、現場に定着しないまま終わりやすくなります。
私たちはこれまで、トライアルを含めて10社近くの導入を支援してきました。この記事では、その中で見えてきた、既存の業務ツールと並行して運用しながらAIエージェントを定着させるためにフェアパスとフェアパスチームがどう支えているのかを紹介します。
こんにちは。bgrass株式会社でBizDevを担当している、まいかです。
私たちはこれまで、トライアルを含めて10社近くのフェアパス導入を支援してきました。その中で分かったことがあります。新しい運用が現場に根づくかどうかは、導入直後の期間で決まります。
この記事では、既存の業務ツールと並行して運用しながら、フェアパスとフェアパスチームがどう定着を支えているのかを書きます。
導入直後に、現場で起きること
フェアパスが担うのは、採用の日々の小さな業務です。候補者への連絡や日程調整のように、担当者が毎日こなしている作業です。
慣れた作業なので、負担は見えにくくなります。「自分でやったほうが早い」と感じるのも自然です。ただ、困っていないことと、負担がないことは別の話です。
たとえば、決まった文面のメッセージを1通送る作業があります。担当者は送る前に、前後のやり取りと候補者の最新の状況を確かめています。送ったあとはATSの記録を更新し、次にどう対応するかをその都度決めています。この一連の流れをAIが担う意味は、使ってみてはじめて分かります。
導入直後の担当者は、まだその価値を実感していません。それなのに、操作や新しい手順を覚える手間が先に来ます。
さらにこの時期は、これまでの業務フローと並行して運用するため、一時的に手間が増えます。人は忙しいときほど慣れた方法に戻ります。新しい運用は後回しになり、定着しないまま終わりやすくなります。
定着しないのは、使う人の意識や努力が足りないからではありません。使い始めてから価値を実感するまでに、越えなければならない過渡期があります。その期間を担当者が一人で越えるのが難しいのです。
定着までを、支援の範囲に含める理由
提供する側の役割は、導入できる状態をつくるところまで、という考え方もあります。私たちは、現場で使われて定着するところまでを支援の範囲に含めています。理由は三つあります。
移行の期間も、採用を止めない
新しい仕組みをきっかけに業務が滞れば、担当者は目の前の対応に追われます。本来向き合いたかった採用の課題は後回しになります。
慣れたやり方と新しいやり方が混ざる期間から、私たちが現場に入ります。そうすれば、業務の流れを止めずに新しい運用へ移れます。
新しい運用を、一時的な取り組みで終わらせない
導入直後だけ使われても、忙しくなって元のやり方に戻れば、担当者の時間は何も変わりません。
AIと人がそれぞれの役割を担う形が現場に根づいてはじめて、人は候補者との対話や惹きつけに時間を使い続けられます。
効果を、正しく確かめられるようにする
使われないまま終われば、効果が出なかったのか、そもそも使われなかったのかを区別できません。
現場で使われるところまで見届ければ、実際に運用した結果をもとに、AIエージェントへの投資を判断できます。
並行運用の期間に、フェアパスチームがしていること
ここからは、ある導入企業での実際の支援を紹介します。この企業では、候補者との日程調整に時間がかかっていることが課題でした。
ゴールを「日程調整を速くすること」に置く
AIエージェントを使うこと自体は目的にしませんでした。日程調整のスピードをどう上げるかをゴールに置き、運用を設計しました。
ゴールがはっきりしていれば、並行運用の時期に何を優先するかも決められます。

導入直後の数日間は、すべての候補者対応を見る
導入直後の数日間、フェアパスチームは裏側ですべての候補者対応を見ました。判断に迷う場面があれば、その都度一つずつ確認しました。
そのうえで、「この企業ならどう対応するか」という方針を企業とすり合わせました。立ち上げの時期に迷いを残さなければ、担当者は新しい運用を安心して使い始められます。
ATSとフェアパスの情報を、人の目で見比べる
この企業では、これまでのATSや日程調整の仕組みと、フェアパスを並行して運用していました。候補者とのメールも、両方の仕組みで動いていました。
フェアパスチームは、フェアパスの情報とATSの情報を見比べ、対応の漏れがないかを確かめました。移行の時期に起きやすい漏れは、人の目で見比べるのが一番確実です。

見えないやり取りには、人がリマインドを送る
日程調整が終わっていない候補者には、フェアパスの画面からリマインドを送れます。
ただ、これまでの仕組みで進んでいるやり取りは、調整が終わったかどうかがフェアパスから見えません。その分はフェアパスチームが一件ずつ状況を確かめ、必要に応じてリマインドを送りました。どちらの仕組みで進んでいても、候補者への対応に差を出さないためです。
採用担当者の隣にも、人がつく
並行運用の期間、担当者は使い慣れた仕組みと新しい仕組みを同時に扱います。負担の大きい時期です。
フェアパスチームは候補者対応に加えて、担当者の作業と気持ちの両面のフォローを続けました。一人で抱え込まずに済めば、急に忙しくなっても元のやり方に戻らずに使い続けられます。

現場で見つかった不便は、エンジニアが先に直す
運用の中で見えてきた小さな使いづらさは、私たちのエンジニアが先回りして拾い、仕組みに反映しました。
使いにくさを、現場の努力や我慢で補ってもらうことはしません。仕組みのほうを、現場のやり方に合わせて変えます。
定型の作業はAIが担い、判断や細かな気配りが要る部分は人が担います。並行運用の時期も、定着してからも、AIと人が一つのチームとして現場を支えます。

定着したあとに、変わったこと
フェアパスが運用に根づくと、人が手作業で行っていた対応の多くをAIが担うようになります。日程調整や候補者への最初の連絡が早く進みます。同じ人数と時間で、対応できる候補者の数も、選考のスピードも上がります。
変わったのは、業務の速さと量だけではありませんでした。
並行運用の時期を一緒に越える中で、フェアパスチームと担当者の間に信頼関係ができました。いまでは導入企業のほうから、前向きな相談や提案が届きます。「こういう採用の取り組みはできないか」「こんな機能や連携があるとうれしい」といった内容です。
フェアパスが目指しているのは、AIエージェントを提供することではありません。企業の採用を前に進めることです。
企業が本当に望んでいた候補者から内定承諾が届いたときは、担当者と一緒に、自分のことのように喜びます。提供する側と使う側という関係を越えて、同じ目標を追う一つの採用チームになる。定着までを支援に含めた先に、私たちが目指している姿です。
導入を検討している方へ
「導入しても、現場で使われなくなるのではないか」「今の採用の運用を止めずに、新しい仕組みへ移れるか分からない」。
こうした不安に対して、フェアパスチームが定着までをどう支えているのか。具体的な進め方と導入企業の事例は、無料の資料にまとめています。自社の採用に当てはめて検討する際に、ご覧ください。