紹介会社へのフィードバックレポートは、生成AIでも作ることができます。ただそれは、手元のデータを文章にする作業であって、エージェント対応という業務そのものがAIで回っている状態とはまだ距離があります。選考の一連の生データが繋がっていると、求人票の要件ではなく、実際に通過している人の傾向を反映したレポートを自動で作れるようになります。今回は、紹介会社とのコミュニケーションと、それを支えるデータのあり方について書きます。

こんにちは。bgrassでBizDevを担当しているまいかです。

「紹介会社に送るフィードバックを、生成AIにまとめてもらおう」 そう考えて、実際にChatGPTなどの生成AIに面接結果を読み込ませ、文面を作成したことがある方も多いのではないでしょうか。

出てくるレポートは、それなりの体裁になります。ただこれは、レポートという成果物をその都度作っている状態であって、エージェント対応という採用プロセスがAIによって回っている状態とは距離があります。

なぜ、ツールを単発で使うだけでは推薦の質に変化が起きにくいのか。 その構造を紐解いていきます。

生成AIが担っているのは、文章にする部分

まず、紹介会社へフィードバックレポートを送るまでの業務プロセスを、7つの工程に分解してみます。

  1. ATS(採用管理システム)から該当する推薦者を洗い出す
  2. 通過・お見送りを分類する
  3. 面接官が書いた評価コメントや議事録を集める
  4. 紹介会社ごとにデータを分ける
  5. 生成AIに渡して文章にしてもらう
  6. 作成された内容を確認し、送るかどうかを判断する
  7. 実際にメールやチャットで紹介会社に送る 現在多くの現場で行われている生成AIの活用は、5の文章化する部分です。 前後のデータを集める工程も、何をフィードバックすべきかの判断も、送信するタイミングを決めて送る実務も、人が担っています。

さらに、5でAIに渡せる生データの範囲にも制約があります。採用の現場におけるデータは、ATS、面接の文字起こしツール、メールの履歴、社内の共有スプレッドシートなど、別々の場所に分かれています。これらすべてを毎回集めるには時間がかかるため、実際には手元にあって集めやすいデータを渡すことになります。

一工程の文章作成が効率化されることには十分な意味があります。ただ、プロセス全体がAIで回っている状態とは、まだ言えないのが実態です。

渡せるデータの範囲が、次の推薦を決める

紹介会社は、企業から受け取った選考フィードバックをもとに「次にどんな候補者を推薦すべきか」を判断します。つまり、レポートに何が書かれているかによって、次に来る候補者が変わります。

たとえば、推薦数と通過率の数値を中心にまとめたレポートを渡した場合、紹介会社は「通過率を上げよう」と受け取ります。その結果、求人票の要件に一致する経歴の方を、より厳密に絞り込んで推薦することになるかもしれません。 しかし、実際の面接で起きていたミスマッチの理由が「経歴は要件に合っているが、自走力の部分で懸念があった」というものだったとしたら。経歴だけで絞り込んでも、同じ理由での見送りが繰り返されることになります。

次の推薦を軌道修正してもらうには、数値だけでなく、面接の現場で実際にどんなやり取りがあり、何が懸念となって見送りになったのかという事実を渡す必要があります。 ただ、その面接の中身は文字起こしのテキストや面接官の記憶の中にあり、それを紹介会社ごとに集約して渡すには手間がかかります。ここに、レポートを作れることと、次の推薦の精度が変わることの間にある距離があります。

フェアパスは、生データが繋がった状態で溜まっている

フェアパスが提供するAI紹介会社担当は、レポート作成のためのツールではありません。日程調整から候補者への連絡、紹介会社とのやり取り、面接の記録までを、フェアパスという共通の基盤の上で実行しています。 そのため、選考で起きたすべての生データが、最初から一箇所に繋がった状態で溜まっていきます。

  • 面接の書き起こしテキストと録画データ
  • 面接官が実際に入力した評価コメント
  • 各選考フェーズ(一次、二次など)ごとの通過・お見送り結果
  • 履歴書や職務経歴書などの書類内容
  • 紹介会社との過去のやり取り履歴
  • 日程調整にかかった時間やプロセスの記録 誰かが要約した編集済みのデータではなく、判断が生まれたその瞬間の記録がそのまま残っている状態です。

そのため、紹介会社へのレポートを作成する際に、別々のシステムを巡ってデータを集める工程が発生しません。生データがあらかじめ繋がっているため、紹介会社ごとの集計が自動で行われます。取引先が増えても、集計の手間は変わりません。

求人票の文面ではなく、実際に通過している基準を渡せる

これが、エージェントコミュニケーションにおける最も本質的な変化です。 これまで多くの企業が紹介会社に伝えてきたのは、最初に設計した求人票に書かれた要件でした。ただ選考が進むうちに、実際に面接を通過している人の傾向や、現場が良いと判断する基準は、求人票の文面から少しずつ動いていきます。

AI紹介会社担当は、この求人票の文字と実際の選考実態の間にあるズレを可視化します。

AI紹介会社担当ができること

すべての選考データが繋がっているからこそ、以下のような解像度でフィードバックをレポート化できます。

**求人票と実際の判断のズレを検知する ** 求人票に書いてあるのに現場が重視していないスキルや、逆に求人票には書いていないのに通過者に共通している経験を、データから見つけ出します。

**フェーズごとのミスマッチ理由を可視化する ** 「不合格」と返すのではなく、一次面接のどの観点で見送りになったのか(メンバー育成の実績が要件と合わなかった、など)を、具体的な事実と傾向として整理します。

**紹介会社ごとの推薦傾向を分析する ** どの紹介会社からどんな層の推薦が届き、どのフェーズまで進んでいるか。紹介会社ごとの特性を集計・比較します。

これによって解決できること これまでは、現場の評価基準を人事が言語化して紹介会社に伝える余裕がなかったため、紹介会社は求人票の文面をもとに推薦し、現場では「少し違う」と見送りになるということが起きていました。

AI紹介会社担当が、選考の生データをもとに今、実際に通過している人の基準を事実ベースで返し続けることで、紹介会社は次に推薦すべき方向を修正できます。人事が選考履歴を分析して文章を書き起こす負担はなくなり、紹介会社側は推薦すべき人物像の解像度が上がる。 お互いに手探りで数をこなす採用から、事実をもとにしたエージェントコミュニケーションへ変わっていきます。

推薦の質が上がると、選考の質が上がる

私たちがこの仕組みを通じて目指しているのは、資料作成の自動化ではなく、紹介会社からの推薦の質を上げることです。

求人票の文面だけを頼りに推薦してもらっている状態では、経歴のキーワードが合っている方が集まります。ただ、経歴が合っていても、実際の現場の判断基準(求人票に書ききれない自走力やカルチャーマッチなど)に合わなければ見送りになります。 実際に通過している人の傾向を共有し続けると、紹介会社は経歴が合っている方ではなく、選考を通過する可能性が高い方を推薦できるようになります。

推薦の質が向上すると、選考プロセス自体が変わります。

**選考にかける時間の使い方が変わる ** 要件と合わない候補者の書類をスクリーニングする時間が減り、基準に合致した候補者一人ひとりの面接準備やアトラクトにリソースを集中できます。

**判断の材料が増えていく ** 通過する可能性の高い候補者が増えることで、面接の生データや評価コメントがさらに蓄積されます。結果として、次回のレポートはより具体的なものになっていきます。

推薦の質が上がることで、目の前の選考に集中でき、その結果また良質なデータが蓄積されてさらに推薦の精度が上がる。このループが回る状態をつくることが、AIをプロセスに組み込む価値だと考えています。 なお、紹介会社へのレポート送付は、人が中身を確認して行います。どの範囲のデータまで共有するかは、紹介会社との関係性や契約内容に応じて個別に設定できます。

伝えるべきかどうかの最終的な意思決定は人が担い、集める・整理する・レポートを作るという実務工程をAIに任せるという役割分担です。

紹介会社とのやり取りだけを、単独で置ける

「仕組みとしては良さそうだけれど、社内のATSや採用プロセスをいきなり変更するのは難しい」 そう感じられる方もいるかもしれません。フェアパスの紹介会社対応・レポート作成の機能は、この役割だけを切り離して、単独のAI紹介会社担当として導入することができます。

既存のATSも現在の採用フローも変える必要はありません。料金も、AI紹介会社担当1人で月額5万円から。基本料金と利用実績に応じた従量料金という、人件費に近い考え方です。 まずはエージェントコミュニケーションからスタートし、効果を実感されたタイミングで、日程調整や面接議事録などの機能を追加していくこともできます。

求人票の要件をもとにした推薦から、実際に通過している人を基準にした推薦へ。今の採用フローを維持したまま、一歩を踏み出してみませんか。 AI人材紹介会社担当のページに、レポートの8項目と、これまでの紹介会社対応との違いをまとめています。デモのご予約と資料のダウンロードも、こちらから受け付けています。

** 紹介会社向けレポートを、AIに任せる。|フェアパス AI人材紹介会社担当 ** * 「もっと合う人を」という感覚的な依頼ではなく、実績データで返す。紹介会社ごとの推薦精度レポートをAIが自動作成します。 * * lp.fair-path.jp *

執筆者|まいか bgrass株式会社|BizDev 採用AIエージェント「フェアパス」の導入現場で、採用オペレーションの設計・改善支援に従事。フリーランスとしても複数企業の採用支援・採用戦略立案を担当し、採用実務とAI活用の両面から現場に伴走している。