採用代行(RPO)を比較するときは、料金表の横並びだけでは判断できません。「委託できる業務範囲」「費用の形態と相場」「契約条件」「最終判断をどこまで自社に残すか」の4つの軸で整理すると、見積もりの違いが何を意味しているかが分かりやすくなります。

採用代行を比較する前に、何を軸に見ればいいか

料金表だけを並べても比較にはなりません。まず「その代行範囲が、ルール通りの定型処理なのか、提案までの生成なのか、判断を含めた実行までなのか」を軸に置くことが先決です。

フェアパスでは、採用業務にかかわるAIを「RPA」「生成AI」「AIエージェント」の3類型に分けて整理しています。RPAは決められたルールどおりにしか動かず、例外が起きると止まります。生成AIは分析や文面の生成まではできますが、メール送信・カレンダー登録・ステータス変更といった実行は人が行います。AIエージェントは目標に対して自分で判断し、必要なアクションまで実行する、という違いです。

採用代行各社が「代行範囲」として挙げる業務にも、同じ構造が隠れています。「スカウトメールを作成する」と「スカウトメールを送信してステータスを更新する」は、できることの範囲としては大きく違います。見積もりを比較する前に、委託先がどこまでを「実行」として請け負っているのかを確認しておくと、後の業務範囲比較・費用比較が読みやすくなります。この違いについては、特化型AIを導入しても人事が楽にならない理由でも整理しています。

委託できる業務範囲はどこまで比較すればいいか

業務範囲は「日程調整のみ」から「母集団形成〜面接対応までの全体委託」まで会社によって大きく異なり、公開情報だけでは判断できないことが多いのが実情です。複数の解説記事が示す業務範囲の例を整理すると、以下のようになります。

サービス・整理 挙げられている業務範囲 出典
スカウト代行 採用計画・戦略の立案策定、スカウト媒体の選定、スカウトメール作成、候補者選定、面接日程調整と候補者対応、効果測定・振り返り パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社の解説記事(2025年6月公開、2026年5月更新)
RPOの一般的な定義 応募者対応や面接日程調整などの実務を任せ、採用担当者は選考設計・採用戦略立案に集中する みんなの採用部(株式会社ネオキャリア)の解説記事(2026年8月公開)
RPOの依頼範囲の例 採用計画の立案支援、求人媒体の運用、応募者対応、書類選考の補助、面接日程調整、内定後フォロー 人事管理システム業務効率化ナビの解説記事(2026年2月公開)
RPOの範囲は会社による 求人作成、面接の一部代行、進捗管理、採用戦略の設計(会社による)まで幅があり、「誰を採るか」「何を魅力として打ち出すか」の最終判断は自社に残るのが実務上の目安 株式会社胡柳の解説記事
RPOは一部委託〜全体委託まで幅がある 採用プロセス全体を任せるケースもあれば一部だけのケースもあり、自社の体制・課題・目的に応じて委託範囲を決めるべき dodadsj.com(デューダ)の解説記事

表からも分かるとおり、「応募者対応」「日程調整」は多くのサービスで共通して挙げられる一方、「採用戦略の設計」や「採用広報」まで含むかどうかは会社によって差があります。見積もり比較では、料金の金額よりも先に、この業務範囲の表を自社の委託したい範囲と突き合わせることが優先です。

あわせて確認しておきたいのは、業務の一部にAIが使われていても、工程と工程の「あいだ」の作業は人に残りやすいという点です。フェアパスでは、AI面接を導入しても日程調整・面接官アサイン・評価の回収・記録は人の作業として残る、という整理をしています。採用代行の提案資料に「AI対応」と書かれていても、それが工程の中身を速くするだけなのか、あいだの転記・調整・リマインドまで引き受けるのかは別の確認事項です。

費用相場はどのくらいか(料金体系別の比較)

月額固定制は10万〜30万円が中心層、成果報酬型は想定年収の20〜45%程度、スポット委託(日程調整のみ等)は5万〜20万円が目安とされています。複数の調査・比較記事のレンジを並べると、次のようになります。

料金体系 相場レンジ 出典
月額固定制 10万円〜20万円未満が最多層(回答342人中18.8%) スマートキャンプ株式会社によるRPO導入経験者342人調査(BOXIL Magazine掲載、2026年1月公開)
月額固定制(別調査) 料金を公開している主要14社中11社が月額10万〜30万円、全体の相場感は月額10〜20万円程度 BOXIL Magazine「採用代行(RPO)の費用相場」比較記事
月額固定制(別調査2) 10万〜70万円程度 stockSun株式会社による採用代行16社の比較記事
従量課金制 1件あたり2万〜5万円程度 stockSun株式会社の同記事
成果報酬制 想定年収の20〜45%程度 スマートキャンプ株式会社の同調査(BOXIL Magazine掲載)
成果報酬制(別調査) 1人あたり60万〜120万円程度 stockSun株式会社の同記事
スポット委託(選考日程調整のみ) 月額5万円〜 リクルートエージェントの解説記事
スポット委託(面接代行込み) 月額30万円〜 リクルートエージェントの同記事
スポット委託(日程調整等の部分委託) 月額5万〜20万円程度 マネーフォワード クラウドの解説記事
スカウト代行 月額固定10万〜30万円、成果報酬30万〜100万円/名、ハイブリッド型もあり ITトレンド「スカウト代行サービスおすすめ7選」(2026年7月公開)

同じ「RPO」でもレンジに幅があるのは、前節で見た業務範囲の違いが反映されているためです。日程調整だけを切り出した「スポット委託」が5万〜20万円程度、採用戦略や面接代行まで含む契約が20万円以上になりやすい、という対応関係で見ると、見積もりの差が何に起因しているか判断しやすくなります。

契約前に確認すべきポイントは何か

最低契約期間、中途解約時のペナルティ、成果が出なかった場合の継続支援・返金保証の有無、業務範囲変更時の追加費用の4点は、契約前に必ず確認すべき項目として複数の解説記事で共通して挙げられています。見積もり段階で、以下を質問リストとして使うと抜け漏れを防げます。

  • 委託できる業務範囲(求人作成・面接調整・スカウト送信など)が自社のニーズとマッチしているか[出典: directsourcing-lab.com「RPO(採用代行)おすすめ企業13社比較」]
  • 最低契約期間はどのくらいか(3ヶ月・6ヶ月・1年など、短期解約できない期間があるか)
  • 中途解約時のペナルティ(違約金の有無・金額)があるか
  • 成果が出なかった場合の返金保証、または継続支援の有無
  • 業務範囲を途中で変更・追加する場合、追加費用はいくらかかるか

(上記4項目は採用代行の選び方・注意点に関する解説記事に基づく)

  • 業務範囲と責任の所在が契約書上で明確になっているか。あいまいなまま契約するとトラブルに発展する恐れがあるとされる[出典: doda中途採用「RPO(採用代行)とは?」]

これらは統計調査に基づくものではなく、業界で共通して紹介されている実務上のチェック項目です。金額の比較と合わせて、契約書のどこにこれらの条件が明記されているかを確認してから契約することが推奨されます。

最終判断まで代行会社に任せていいのか

「誰を採るか」「何を魅力として打ち出すか」という最終判断は自社に残すべきで、丸投げは雇用主としての責任放棄とみなされるリスクや、職業安定法上のリスクにもつながります。

採用代行の選び方を解説する記事では、合否判断などの最終決定を代行会社に丸投げすることは雇用主としての責任放棄とみなされるリスクがあると指摘されています。また、自社の魅力や採用意図を伝えないまま丸投げすると、どこの会社にも通用する無難な文面になり、候補者に刺さらず母集団が広がらないという失敗パターンも紹介されています。実務上の目安としても、「誰を採るか」「何を魅力として打ち出すか」は自社に残すべき最終判断とされています。

法的な観点でも注意が必要です。採用代行業者が自社名で求人広告を掲載して直接募集したり、独断で合否判定・内定決定を行ったりする行為は、職業安定法36条が定める「委託募集」に該当し違法となる可能性があり、委託する側・される側の双方が厚生労働大臣または都道府県労働局長の許可を得る必要があるとされています。個別の委託内容がこれに該当するかどうかは契約の実態に応じた判断が必要なため、業務範囲を決める段階で誰が最終決定の主体になるのかを明確にしておくことが重要です。

フェアパスでは、AIの動き方を「オートモード(AIが判断し確認を挟まずそのまま実行する。日程調整やリマインドなど定型的で間違えてもすぐ修正できる業務向き)」と「承認モード(AIが案をつくり人間が確認してから実行する。求人内容の大幅な変更や採用方針に関わる判断など、対外発信や影響の大きい業務向き)」の2種類に整理しています。また、AI面接を導入しても日程調整・面接官アサイン・評価の回収・記録といった工程のあいだは人に残る、という整理もしています。これらは採用代行とAIのどちらを使う場合にも当てはまる考え方で、「実行までAI・代行先に任せてよい工程」と「人の承認・判断を挟むべき工程」を切り分けてから委託範囲を決めると、丸投げによるリスクを避けやすくなります。

AI型の採用代行(AI-RPO)は何が比較ポイントになるのか

AI-RPOは従来型RPOと同じ業務範囲を扱うことが多いものの、料金が「件数あたりの単価」で設計される点と、候補者情報の記録場所と実務の担い手が分かれる点が比較の着眼点になります。

比較の観点 内容 出典
サービス例と業務範囲 HeaR株式会社は「AI-RPO」の名称で、母集団形成(スカウト運用・求人媒体運用・エージェント開拓)、採用広報、面接・候補者対応までを代行。料金は「支援範囲・期間・採用ボリュームに応じて個別見積もり」で非公開 HeaR株式会社公式サイト「AI-RPO(採用代行)」
料金設計の考え方 AI-RPOは月額固定制の中でも「スカウト1通あたり」「選考1件あたり」の単価で設計されることが多く、同じ月額金額でも対応件数が多いほど実質単価は下がる。比較は総額ではなく「その金額でどの工程を月に何件対応するか」で行うべきとされる HeaR株式会社の解説記事(2026年9月公開)
価格の一例 「Famm AIリクルーティング」は初期費用10万円、月額費用30万円〜。案件のボリューム・難易度によって月額費用や月内稼働時間が変動する 起業LOG SaaSの紹介記事(2025年6月公開時点の情報)

AI-RPOを比較する際は、金額だけでなく「ATSに蓄積された候補者情報や選考履歴をどこで記録し続けるか」も確認ポイントになります。フェアパスでは、ATSなどのSystem of Record(SoR)は候補者情報や選考履歴を蓄積する場所として残し、日々の操作や実務はAIエージェントが担う、という役割分担を想定しています。これは既存ATSにAI機能を追加する「AI ATS」の発想とは異なるものです。前節で触れたRPA・生成AI・AIエージェントの違いと合わせて見ると、「AI-RPO」を名乗るサービスが、定型処理の自動化なのか、判断を含めた実行までを担うAIエージェント型なのかを見分けやすくなります。AI-RPOと従来型RPOの違いをより詳しく整理した内容は、AI RPOと従来のRPOの違い・選び方でも扱っています。

すでに代行に月額費用を払っている場合、比較の次の一手は何か

外部委託にすでに月次費用を払っている企業にとって、代行範囲を広げる前に「オペレーションをAIエージェントに置き換える」選択肢と比較するのは、よくある検討パターンの一つです。

フェアパスでは、採用AIの導入パターンを3つに整理しています。そのうちの「パターンA:外部委託の最適化から」は、RPO・BPO・採用アシスタントに月次費用を払っている企業を想定したパターンです。これは、代行会社の料金プランを比較して範囲を広げることだけでなく、今その費用で何を買っているか(定型のオペレーションか、判断を含む業務か)を再整理したうえで、AIエージェントに置き換えられる部分がないかを検討する、という考え方です。

参考として、フェアパスのLPで公開されているSPEED EFFECT社の導入事例では、採用オペレーションにかかる時間が1日2〜2.5時間から約20分に短縮され、中途採用の応募数が月50件から月150件に増加したと紹介されています。ただし、これは導入前との比較・インタビュー時点の数値であり、導入初期にフェアパスが一部オペレーションを伴走支援した期間を含むこと、応募数の増加は空いた時間を使って担当者自身が母集団形成に取り組んだ結果を含むことに注意が必要です。フェアパス単独の効果ではなく、伴走支援と担当者の取り組みが組み合わさった結果である点は明記しておきます。オペレーションをAIエージェントに置き換えた場合に何が起きるかについては、月200件〜の応募に対応する採用AIエージェントOSでも扱っています。

よくある質問

採用代行を使うと、必ず委託募集の許可が必要になるのか?

代行会社が自社名で求人を出したり、独断で合否を決めたりする場合は、職業安定法36条が定める「委託募集」に該当し、許可が必要になる可能性があります。一方で、日程調整や書類の一次対応程度であれば該当しないことが多いとされていますが、これは個別の委託内容によって判断が分かれるため、契約前に業務範囲(誰が最終的に合否を決めるか、誰の名義で求人を出すか)を確認しておく必要があります。

「採用コストの相場」とRPOの費用相場は同じものを見ているのか?

別の数値です。1人当たりの中途採用コストの相場は、調査によって31.2万円〜103.3万円などと幅があり、これは求人広告費のみを算出範囲とするか、内部コスト(採用担当者の人件費など)まで含めるかによって数値が変わります。これに対してRPOの月額料金や成果報酬は、採用代行会社に支払う委託費そのものであり、別の軸の数値です。両者を混同して「採用代行を使えば採用コストの相場どおりに収まる」と考えないよう注意が必要です。

まとめ 採用代行の比較は「委託できる業務範囲」「費用の形態と相場」「契約条件」「自社に残す最終判断」の4軸で行うと整理しやすくなります。業務範囲は会社ごとの差が大きく、AIを使っていても日程調整・評価回収などの「あいだの工程」は人に残りやすい点に注意が必要です。AI-RPOを検討する場合は総額ではなく件数あたりの単価で比較するのが実質的な比較になります。すでに代行費用を払っている企業は、範囲を広げる前に、オペレーションをAIエージェントに置き換える選択肢も比較候補に入れておくとよいでしょう。

採用代行の比較で迷ったら、自社のオペレーションのどこをAIエージェントに任せられるか、フェアパスが無料で整理します。フェアパスのサービス詳細はこちら

著者:フェアパス編集部

この記事は、AIを使って作成し、編集部が内容を確認しています。