AI面接は、応募者数が多い一次面接での構造化されたスクリーニングに向き、候補者を深く見極める二次面接以降は人が担うのが基本的な役割分担である。bgrassの契約企業データでも、選考が面接段階に進むほど性別による通過率の差が拡大しており、属性に関わりうる判断は人が丁寧に行う必要性を裏付けている。
AI面接は一次面接・二次面接のどちらに使うべきか
AI面接は応募者数の多い一次面接でのスクリーニングに向き、候補者を深く見極める二次面接以降は人が担うのが基本的な役割分担である。一次選考ではAIが大量のエントリーに対して基礎的な資質やコンピテンシーを評価し、二次選考以降は人がアトラクトや深掘り評価を担うという「ハイブリッドモデル」が、多くの企業にとっての現実的な落としどころとして整理されている[出典: AI Lead株式会社「AI面接官とは|できること・限界・人間との使い分け【2026年版】」]。
ただし、この役割分担には例外がある。性別・年齢・国籍といった属性を見送り判断の材料としてAIに委ねることには明確なリスクがあり、属性に基づく判断はどの選考段階であっても常に人が行うべき領域として切り分けるべきだというのがフェアパスの見解である。これは一次面接・二次面接という段階の区分とは別に、判断の「中身」で線を引く考え方であり、以降の節で具体的に見ていく。
AI面接とは何か、一次面接・二次面接の目的はどう違うか
一次面接は基本情報への端的な質問が中心なのに対し、二次面接は自社とのマッチ度や志望動機・キャリアプランを深掘りするという、段階ごとに異なる目的を持つ。二次面接の目的は、一次選考を通過した求職者が自社とマッチする人材かを見極めることであり、一次面接よりも詳細な知識・能力・志望動機・キャリアプランなどの提示が求められる。一次面接では基本情報についての端的な質問が中心なのに対し、二次面接では同じ項目でもより深掘りした質問が行われる[出典: 株式会社Geekly「一次面接と二次面接の違いを解説」]。
AI面接とは、この一連の選考プロセスのうち、定型化しやすい基礎評価の部分を代替するツールを指す。一次選考でAIが大量エントリーに対し基礎的な資質・コンピテンシーを評価し、二次選考以降は人間がアトラクトや深掘り評価を担うという役割分担が示されているのは、一次面接と二次面接がもともと異なる目的を持つ選考段階だからである[出典: AI Lead株式会社「AI面接官とは|できること・限界・人間との使い分け【2026年版】」]。AI面接を「一次面接の代わり」として位置づけるか「二次面接の代わり」として位置づけるかは、ツールの機能の違いというより、それぞれの選考段階が本来担っている役割に合わせて決める問題である。
一次面接にAIが向いているのはなぜか
一次面接は質問項目や評価軸を定型化しやすく、構造化された面接形式ほど評価の精度が上がるとされる知見とAIによる大量処理の相性がよいためである。産業組織心理学の古典的な知見として、構造化面接は仕事の成果を予測する妥当性係数がr=.51であるのに対し、非構造化面接はr=.38にとどまるとされている。この数値は人事選考全般に関するメタ分析によるものでAI面接に限定したものではないが、「構造化された面接形式」が精度向上に寄与するという論旨の根拠として引用されている[出典: Schmidt & Hunter(1998)の知見、Humanly.io「Do AI Interviewers Work? The Actual Evidence」経由]。一次面接は質問項目をあらかじめ固定しやすい段階であるため、この構造化の効果とAIによる大量処理が噛み合いやすい。
実際に一次面接へのAI導入で工数削減が確認された事例もある。AI面接ツール「Our AI面接」を開発するJetBは、同ツールを自社の一次面接に導入して書類選考を廃止し、「全員面接」に移行した。11か月間の運用で面接工数を247時間から29.6時間へと88.03%削減し、約217万円の人件費を削減したとしている。直近3か月(2025年10〜12月)では対象187名で工数削減率88.87%、削減時間110.79時間とされる[出典: Our AI面接(ai-mensetsu.jp)導入事例]。これはツール開発元が自社に導入した事例であり、第三者企業での実証ではない点、約217万円の算出根拠(時間単価等)が開示されていない点には注意が必要である。AI面接の評価基準そのものが持つ限界については、AI面接の精度とは何か|定義と測り方を整理で別途整理している。
二次面接以降を人が担うべき理由、bgrassの通過率データが示すこと
bgrassの契約企業データでは、書類選考では女性の通過率が男性を上回るが、面接段階が進むごとに男女差が拡大しており、属性に関わりうる判断を人が丁寧に見極める必要性を示している。bgrass株式会社が運営するWAKE Careerの契約企業実績データ(全求人集計)によれば、選考フェーズ別の通過率は、書類選考で女性42%・男性35%、1次面接で女性20%・男性37%、2次面接で女性20%・男性48%、最終面接で女性0%・男性50%となっている。書類選考では女性が7ポイント上回るが、それ以降の全フェーズで逆転し、面接を経るたびに格差が拡大していた[出典: bgrass株式会社「採用×AIの完全ガイド 2026年最新版」]。このデータの対象期間・母数・企業数はWP内に記載がなく、契約企業の実績データという位置づけにとどまる点には留意が必要である。
このデータが示すのは、書類選考という定型的な審査段階では性別による差が小さいのに対し、面接という「人による評価」が入るほど差が広がっているという構造である。これは、一次面接以降の選考をすべて人に任せれば自動的に公平になるという話ではない。むしろ、面接段階でこそ評価基準が属性に影響されやすいことを示しており、性別・年齢・国籍といった属性に基づく判断は常に人が行うべき領域として切り分け、その判断プロセス自体を丁寧に設計する必要があるというのがフェアパスの見解である。二次面接以降を単に「人に戻す」のではなく、「人が何を基準に見ているか」を明確にすることが、このデータから読み取れる次の課題になる。
一次面接×AI、二次面接×人の役割分担を表で整理する
一次面接ではAIが書類・基礎評価の処理を担い、二次面接以降は人が深掘り・見極め・属性配慮を担うという分担が基本形になる。これまでの整理を、選考段階ごとに担当・役割・判断内容・注意点の軸で表にまとめる。
| 選考段階 | 主な担当 | 主な役割 | 判断内容 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 一次面接 | AI(構造化された質問・評価) | 大量エントリーへの基礎的な資質・コンピテンシー評価 | 定型化された質問項目への回答評価 | 評価基準が特定の属性に偏っていないか定期的な確認が必要 |
| 二次面接以降 | 人 | 自社とのマッチ度・志望動機・キャリアプランの深掘り | 候補者個別の状況を踏まえた総合判断 | 面接段階が進むほど評価者の主観が入りやすく、通過率の格差が広がりやすい |
| 全段階共通 | 人 | 属性に関わりうる見送り判断の最終確認 | 性別・年齢・国籍を理由とした判断の排除 | AIにも人にも委ねきらず、判断プロセスとして切り分けて設計する |
一次選考ではAIが大量エントリーに対し基礎的な資質・コンピテンシーを評価し、二次選考以降は人間がアトラクトや深掘り評価を担うという役割分担[出典: AI Lead株式会社「AI面接官とは|できること・限界・人間との使い分け【2026年版】」]を軸にしつつ、属性に関わる判断だけは選考段階を問わず人が担う、という2段構えで考えると運用設計がしやすい。
一次面接にAIを導入した企業はどう運用しているか
国内外の事例では、一次面接や初期スクリーニングにAIを導入しつつ、最終的な合否判断や深い見極めは人が担う運用が取られている。前述のJetBの事例は国内の運用例であり、一次面接へのAI面接ツール導入によって書類選考そのものを廃止し、応募者全員と面接する体制に切り替えている[出典: Our AI面接(ai-mensetsu.jp)導入事例]。これはAIが「足切り」の役割を担うのではなく、むしろ選考の入口を広げる方向でAIを使った運用例といえる。
海外の事例としては、ホテルチェーンのHiltonが予約・顧客対応部門(Hilton Reservations and Customer Care)の大量採用において、100問を超え1時間以上を要していた従来型の適性検査を含む複数段階の選考を、HireVueの単一の動画アセスメントに統合している。HireVueが公開する事例では、採用までの期間が42日から5日に短縮し、選考の完了率が倍増、面接から採用に至る率が40%改善したとされる[出典: HireVue公開事例、bestpractice.ai経由]。この数値はベンダー自身が公開した事例に基づくもので、算出方法や独立検証は示されていない。また対象は予約・顧客対応部門という特定業務の大量採用であり、Hilton全社の採用や専門職採用にそのまま一般化できるものではない。
両者に共通するのは、AIが担うのは応募者数の多い初期段階の評価であり、そこから先の合否確定や個別の見極めまでAIに委ねているわけではない点である。
使い分けで注意すべきこと:属性に関わる判断をAIに委ねない
性別・年齢・国籍など属性に関わる見送り判断をAIに委ねることには明確なリスクがあり、とくに二次面接以降は人が判断する領域として明確に切り分けるべきである。性別・年齢・国籍といった属性を見送り判断の材料としてAIに委ねることには明確なリスクがあり、属性に基づく判断は常に人が行うべき領域として切り分けるべきだというのがフェアパスの見解である。
この懸念は抽象的な話にとどまらない。AI審査ツールをめぐっては、83%の企業が2025年までにAI履歴書スクリーニングの活用を計画している一方、67%の企業が自社のAIツールが採用判断にバイアスを持ち込んでいることを認めていると報告されている。また、ある研究では、AI審査ツールが白人系の名前を85%、男性系の名前を52%の頻度で優遇したとされる[出典: Crosschqブログ「Why AI Interview Tools Fail to Accurately Assess Candidates」、ワシントン大学の研究を引用]。これらの数値の対象・母数・調査時期は記事内で明示されておらず、原典調査での再確認が必要な点には留意が必要だが、AIが属性に関わる偏りを持ち込みうること自体は、一次面接・二次面接いずれの段階でも共通して注意すべき論点である。
一次面接でAIによる基礎評価を活用する場合も、その評価基準が特定の属性に偏っていないかを定期的に確認する体制が必要であり、二次面接以降で人が最終判断を行う際も、属性に関わる判断であることを意識した運用設計が求められる。AI面接の精度・バイアス問題そのものについてはAI面接の精度・バイアス問題の原因と対処法、国内外の法規制との関係についてはAI面接の法律リスクと対処法|国内外の規制動向で詳しく扱っている。
FAQ
Q. 二次面接以降でもAIを併用してよいか?
一次選考ではAIが基礎的な評価を担い、二次選考以降は人がアトラクトや深掘り評価を担うというハイブリッドモデルの整理に基づけば[出典: AI Lead株式会社「AI面接官とは|できること・限界・人間との使い分け【2026年版】」]、二次面接でAI分析を参考情報として併用すること自体は選択肢になりうる。ただし、最終的な合否判断や属性に関わる判断は人が担うべきという原則は、AIを併用するかどうかとは別の問題として変わらない。
Q. 一次面接の通過率に男女差が出ている場合、何を見直せばよいか
bgrassの契約企業データでは、書類選考から面接段階に進むほど性別による通過率差が拡大する傾向が見られた[出典: bgrass株式会社「採用×AIの完全ガイド 2026年最新版」]。一次面接の評価基準がAI・人いずれであっても属性に偏っていないかを定期的に確認し、二次面接以降は特に人が丁寧に見極める体制を設けることが望ましい。
まとめ
- AI面接は一次面接の大量スクリーニング、人は二次面接以降の深掘り・見極めという役割分担が基本形である
- bgrass契約企業データでは面接段階が進むほど男女の通過率差が拡大しており、人による見極めの重要性を裏付けている
- 属性に関わる見送り判断は、どの選考段階であってもAIに委ねず人が行うべき領域として切り分ける
自社の選考フローで、どこまでをAIに任せ、どこから人が担うべきか。フェアパスでは一次面接・二次面接の役割分担の設計から支援している。自社の応募者数・職種特性に合わせた設計を相談したい場合は、フェアパスに相談するから問い合わせできる。
著者:フェアパス編集部
この記事は、AIを使って作成し、編集部が内容を確認しています。